猫の病気

猫の避妊&去勢手術|メリット/リスク/費用/タイミングについて。

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猫の去勢と避妊

猫ちゃんを飼い始めたら、やってあげた方がいいことがいくつかあります。その一つが避妊/去勢手術。ワクチンなどと違い、麻酔が必要で、かわいそうと感じる方も多いようですが、実際はどうなのでしょう?

避妊/去勢手術の方法や費用、手術のメリットやデメリットを、報告されているデータや実際の経験をもとにお話しします。

  1. 手術の方法&費用
  2. メリット
  3. 手術のリスク
  4. まとめ

手術の方法&費用

手術は全身麻酔になります。通常、午前中に預けてお昼に手術という病院が多いです。

手術の方法

手術の方法は、男の子の去勢手術では、陰嚢(タマ袋)を切開して、睾丸を切除します。

女の子の避妊手術では、お腹の中の卵巣(病院によっては子宮も)を取り出すため、開腹手術になります。

猫の去勢と避妊

手術の費用

日帰りで手術をする病院と術後一泊入院になる病院がありますね。

ほとんどの病院では10日後くらいに抜糸が必要になりますが、一部の病院では抜糸が必要でない糸で縫合します。どちらにもメリット・デメリットがあるので一概にどちらがいいとは決められません。

日本獣医師会の調査によると、去勢手術は15,000円程度、避妊手術は20,000円程度の病院が多いようです。

費用も安いからいいというわけではなく、術前の検査や麻酔の方法、入院の方法によっても変わってきます。値段だけで決めず、信頼できる病院かどうかをしっかり考えて決めてくださいね。

メリット

では、手術のメリットには何があるのでしょうか?手術は本当にした方がいいのでしょうか?

オスの場合

男の子では、マーキングの予防と、性格が温厚になるという行動学的なメリットが大きいです。あまり発生率は多くはないですが、睾丸の腫瘍の予防にもなります。

メスの場合

女の子では、乳腺腫瘍の予防という意味合いが非常に大きいです。予防効果には手術の時期も関係しています。

乳腺腫瘍の発生

手術の時期と、未避妊の雌猫との乳腺腫瘍の発生の比較はつぎの通りです。

  • 生後6カ月まで:約9%
  • 7~12ヵ月齢:約14%
  • 13~24ヵ月齢:約89%

2歳以降に避妊手術をしても発生率は変わらないと言われています。

つまり、1歳までに手術をしないと、乳腺腫瘍の予防効果はあまり期待できないんですね。

他には、子宮や卵巣の病気の予防としても避妊手術は有効で、いつ手術しても効果は変わりません。

発情期のストレス

そして、オスメスとも発情に伴うストレスが減るというのも大きなメリットです。

避妊/去勢手術をためらう理由として、「動物の生殖能力を奪うことがかわいそう」と考える飼い主さんもいます。確かに、「それを人間が決めていいのか?」という気持ちはわかります。

猫の発情期

一方で、性欲があるのに何もできないというのもかわいそう、という考え方もあります。

特に発情期にはかなり性欲が強くなり、外に行きたがったり、一日中鳴いていたりすることが多く、本人も飼い主さんもかなりのストレスになります。

性欲が満たせないのであれば・・・性欲を起こさないようにしてあげるのも、愛情の形なのかもしれません。

手術のリスク

肥満になりやすい

手術のデメリットは、やはり太りやすくなることです。ある調査では避妊/去勢手術を行った猫ちゃんでは肥満のリスクが2倍になるというデータも出ています。

尿道が狭くなるという報告もありますが、それを否定する論文も出ているため、現在のところ不明です。

猫の肥満

全身麻酔のリスク

猫の全身麻酔リスクに関する論文はいくつか発表されておりますが、最近の大規模な調査として、2007年にイギリスから報告された論文があります。

この論文では、79,178例の猫の全身麻酔の統計をとっています。この中で健康または軽度の全身疾患を持つ猫の麻酔中の死亡率は0.11%であったと報告されています。

つまり1000頭に1頭くらいの割合ですね。

私の経験上では、麻酔やモニター方法の向上から、最近の麻酔死亡事故の割合はさらに減っていると思われます。それでも、残念ながらリスクはゼロとは言えないのが実情です。

猫の避妊はすべきか

まとめ

いかがでしたか?避妊/去勢手術は絶対にしなければならないものではなく、飼い主さんの考え次第ではあります。

ただし、文献などのデータからも、経験上も避妊/去勢手術のメリットが大きいです。それらを理解している獣医師や動物看護士は、子供を産ませたい人以外ほとんどが手術を行っています。

やはり獣医師の立場からは、是非、病気や発情のストレス予防として強くお勧めしたい手術です。

やるなら麻酔のリスクが少なく、メリットの大きい生後半年~1年がお勧めですよ。

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